蓮の落胤-創価学会、話そうか

非活動家の学会3世が創価学会、日蓮、公明党等を語ります。

振り回された沖縄公明党&沖縄創価学会員(1969年の公文書に見る本土公明党の沖縄干渉)

沖縄知事選の話題がにわかに増してきました。沖縄公明党に関して、興味深い資料を見つけたので紹介します。

 

今回紹介するのは、CIAが1969年に作成した極東アジアの情報分析資料です。何度か言及していますが、CIAは本質的には情報分析機関です。工作活動以上に、各国地域の正確な情報解析が仕事です。

 

オリジナルの文章は以下のリンク先にあります。アジア時事情報の1つとして、沖縄公明党(当時は公明会)に関する記載があります。ドメインからわかりますように、アメリカ政府機関、正真正銘CIAの公式文章です。こういった文章群を時間と共に公開できるのがアメリカの強さでしょう(記録を抹消する組織に未来はない……)。

 

f:id:Hasunorakuin:20180821214813j:plain

https://www.cia.gov/library/readingroom/docs/CIA-RDP79T00975A014700110001-6.pdf

 

短い文章ですので全文の訳を掲載します。

 

Okinawa:

 

Komeikai, the local arm of Japan's activist Komeito party, is about to campaign more aggressively against US bases on Okinawa.

(公明会‐日本の政治活動家組織である公明党の沖縄組織‐は、沖縄の米軍基地に対する組織運動をより活発にしようとしている)

*1969年当時、沖縄はまだ日本に復帰していません。

 

Komeikai is readying a report intended to focus popular dissatisfaction on hazards to public welfare created by US bases on Okinawa.

(公明会は、沖縄の米軍基地によって生み出された公共の福祉を害する危険性に対する民衆の不満に焦点をあてることを目的にした調査報告書を準備している)

 

The survey, according to Komeito officials, will demand a sizable reduction in the number of US installations in line with Komeito's policy calling for gradual dissolution of the US-Japan mutual security treaty.

(公明党当局の言うところでは、調査報告書は公明党政治的主張である日米安全保障条約の段階的撤廃に沿って、米軍施設数の削減を要求するだろう)

 

Komeito officials have requested help from the US Embassy in Tokyo in arranging a visit by a party mission to Okinawa ostensibly to persuade the Komeikai to modify some "rather provocative and questionable" sections of the report.

(公明党当局は「報告書における幾分挑発的で問題のあるいくつかのセクションを調整するために公明会を説得する」という触れ込みで、東京の米国大使館に党使節団の沖縄訪問の手配を助けるよう要求した)

 

Komeito scored a major propaganda coup last year with a detailed study of the US base structure in Japan.

(公明党は昨年、在日米軍基地の構成に関する詳細な調査報告の大規模宣伝工作戦略(プロパガンダ)に成功した)

 

Rather than toning down the Komeikai report, Komeito is more likely to want it to achieve a similar splash.

(公明党は、公明会の報告を和らげるよりもむしろ、公明会の報告を昨年公明党が成功したような派手な記事にしたがっているきらいがある)

 

The Komeito study received extensive media coverage, prompting considerable criticism of the Sato government for failing to take the initiative in representing the people's interests.

(公明党の調査報告は広範なマスコミ報道を経験し、佐藤栄作政府は率先して民衆の利害を指摘することに失敗したという相当な批判を促した)

 

The Komeikai, currently a semi-autonomous affiliate the Japan-based Komeito, reportedly will become a chapter of Komeito later this month.

(伝え聞くところでは、現在公明会は日本を拠点とする公明党の半自治支部であるが、今月中に公明党の1支部になるだろう)

 

In the past Komeikai has tended to be more conservative than its parent organization, particularly on the base issue since many of its members are employed on US bases.

(従来の公明会は基地問題に関して、彼等の構成員の多くが米軍基地で雇用されているという理由から、親組織(公明党)よりも保守的になる傾向があった)

 

It now may be under greater pressure to voice more outspoken opposition as it comes under tighter control of Komeito.

(公明党の厳格な管理下になるにつれ、公明会は今、(米軍基地問題に対して)より辛辣な反対意見を発言するよう強い圧力をかけられているのだろう)

  

驚きました。私は当初、沖縄公明党創価学会は初めから基地反対一本で固まっていたものだと考えていましたが、それは誤りだったようです。

 

基地問題で革新系に近い沖縄公明党(公明会)と、ラディカルな政策を掲げつつも保守陣営とも連携したい……しかし選挙と野党の手前大きな声は出せないという矛盾を抱えた本土公明党の単純な駆け引きだと考えていました。

 

確かに、1968年の行政主席選挙に関連した公文書の中において、「沖縄創価学会員-その多くは米軍に雇用されており、また沖縄自由民主党の保守候補を支持している(好感を持っている)-」という記述がありました。

 

また、矢野絢也書記長(当時)も「沖縄創価学会員は沖縄自由民主党の保守候補に好感を持っている」という発言(恐らくは非公式発言)を残しています。

hasu-no-rakuin.hatenablog.com

 

私は矢野書記長の発言は本土公明党の本音であり、沖縄公明党の考えとは違うと短絡的に考えていました。実際は、沖縄公明党(当時は公明会)は微妙な立場に立たされていたのでしょう。

 

今回及び以前紹介した文章を複合的に考えると、以下のような構図になるかと思います。 

f:id:Hasunorakuin:20180821220908j:plain

地元組織として複雑な事情を抱える沖縄公明党、選挙都合でラディカルな安全保障政策を持ち込んだ本土公明党(それも途中で撤回する……1977年時点でその兆候が確認されている)。

 

当時は、本土公明党の方が「上辺は」革新系だった。本土公明党の選挙都合に振り回せれ、沖縄が本土復帰に向かうにつれ、本土公明党の管理下に置かれるようになった沖縄公明党(公明会)……と支持者である沖縄創価学会員。

 

名護市長選で見せたように、本土創価学会の沖縄介入です。それは1968-1969年当時すでに存在していたと。

hasu-no-rakuin.hatenablog.com

その主張は現在とは逆で、ラディカルな革新系の主張に近い本土公明党保守系候補に好意を持つ沖縄公明党(もちろん基地問題に対応したい部分はあったでしょう)。

 

ところが沖縄の本土復帰後は、公明党本部と創価学会の方向転換により、積極的に保守系政党に近づきたい公明党本部、複雑な利害関係を持ちながらも平和問題の顔として取り上げられ、革新系候補に近い沖縄公明党(沖縄創価学会)とカオスな状況に変貌していく……ということでしょうか。

   

自身の雇用問題を抱えながら、1969年に「沖縄米軍基地の実態調査―米軍基地の総点検」を出版し不要・遊休基地の存在を主張しなければならなかった沖縄公明党(公明会)とその支持者である沖縄創価学会員。現地では葛藤があったことと推測されます。なにせ、自分達の雇用先を減らせと言っているわけですから……

 

今度の沖縄県知事選で、公明党は与党系候補に推薦を出しました。50年前は本土公明党のラディカルな政策・選挙都合で、今回は本土公明党の保身かつ与党的都合で、沖縄公明党に干渉しています。

 

恐ろしいことに、具体的な政策方針は大きく反対方向に変わりましたが、沖縄に対する干渉・介入・隷属体質はまるで変っていません。

 

最終的には沖縄公明党(と支持者である沖縄創価学会員)が個々に判断してきたことですが、公明党創価学会は沖縄に対して50年間何をやってきたのだろうと嘆かわしく思います。