蓮の落胤-創価学会、話そうか

非活動家の学会3世が創価学会、日蓮、公明党等を語ります。

名護市長選と公明党(基地問題で揺れた20年)

名護市長選に向けた動きが活発化して参りました。辺野古基地建設問題を抱える名護市長選。沖縄において米軍所属機の事故が立て続けに発生する中、基地建設容認・推進派の渡具知(とぐち)武豊候補は苦しい選挙になるかもしれません(前回、前々回の市長選では基地建設容認・推進派の候補(渡具知氏とは別人)が負けました)。

 

渡具知氏は無所属ですが、自民党県連と公明党県本部からの推薦を獲得しています。注目すべきは公明党が推薦を出したことです。

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名護市の市長選において辺野古基地建設がテーマにあがったのは1998年からですが、この時、公明党は基地建設反対派の玉城義和候補に支持を出しました(推薦ではない)。玉城氏は、社民・共産・民主等から推薦を獲得していた候補でした。

 

社民・共産・民主が推薦する候補を公明党が支持する……というのは今考えると斬新です。沖縄ならではの選挙だったのでしょう。国政で自民党とバトルした直後(4月会問題)というのも関係あるかもしれません。

 

2002年および2006年の選挙においては基地建設容認・推進派の候補に推薦を出しました。こちらも、国政の影響(自民党と連立後)があるかもしれません。

 

前々回2010年の選挙では、基地建設容認・推進派の候補者はどの政党からも推薦を受けずに戦いました(2009年の衆院選挙で自民が大敗した直後でした)。

 

2014年の前回選挙、自民党は基地建設容認・推進派の候補者に推薦を出しましたが公明党は推薦を出さず、支持者(学会員)は自主投票を行いました。自公政権がある程度成熟していた2014年に自主投票としたのは、公明党沖縄本部内で様々な意見があったからでしょう。主力支持者である沖縄学会員に配慮した面もあると思います。

 

1998年から20年。公明党は、辺野古基地建設容認と反対の間で揺れ動いてきました。最初は反対(1998年)、続く2回は容認(2002年、2006)、その後2回は自主投票(2010年、2014)。

 

公明党の安全保障政策は、いい加減で無策。基本的に選挙対策(選挙で負けなければいい)に過ぎませんが、良くコロコロ変えたものです。まぁコロコロ変えたのは南元町信濃町であって、沖縄公明党(と沖縄創価学会)ではないでしょうが。

 

しかし今回、公明党自民党と歩調を合わせ、建設容認・推進派の渡具知氏に推薦を出しました。言うまでもないですが、安倍政権はかなり本気で辺野古基地建設に向けた施策を進めています。

 

20年の月日を経て、公明党もいよいよ最終判断を下した……と考えてもいいかもしれません(自公政権が何かの拍子で壊れて反自民系政権が成立したならば、また基地建設反対派に転向する可能性もありますが)。

 

最初に書いたように、基地建設容認・推進派の渡具知氏は、対立候補に対して特に優勢という訳ではありません。前回選挙では、19,839票vs15,684票(得票率にすると55.8%vs 44.2%、投票率は76.71%)で基地建設反対派が勝利しました。その差4300票。

 

本年1月5日付け東京新聞の記事によると、名護市における公明票は2000票程度(昨年10月に行われた衆議院選挙において、公明党は名護市内で過去最高の比例票(約5700票)を獲得したそうです)。前回結果を考えれば、無視できない数字です。

 

創価学会が組織を挙げて選挙戦を行えば周辺地域の住民を巻き込んで票を底上げする可能性を秘めています。公明党が推薦を出し、原田会長が沖縄幹部会に参加したというのは、大きな意味を持つでしょう。

 

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かつて沖縄創価学会といえば、創価学会が推進してきた平和運動の象徴でした。全国学会員の中で、とりわけ沖縄に住む学会員は平和問題に真剣だったと思います。ミサイル基地を学会の会館にしたこと、人間革命の執筆場所。沖縄戦、米軍統治を含めた歴史的経緯、基地が生活圏にある日常。平和運動を身近なテーマとして捉えてきたのが沖縄学会員かと思います。

 

そのためでしょうか、沖縄創価学会(と公明党)は割と信濃町に対して独自路線を掲げることが多かったと聞いたことがあったのですが……昨今の中央集権的な流れには逆らえなかったのかもしれません。

 

市長選は基地問題だけが争点ではありません。また安全保障という観点では様々な意見があります。それは事実です。

 

ただ今回の選挙、平和問題に一番拘りのある沖縄創価学会が方向転換したという「実績」を残せば、沖縄創価学会の今後の方向性、ひいては創価学会がこれまで行ってきた平和運動(憲法改正問題含む)全体に大きな影響を与えることでしょう。

 

名護市における公明票は2000票程度かもしれませんが、歴史の大きな転換点を作るかもしれません。