蓮の落胤-創価学会、話そうか

非活動家の学会3世が創価学会、日蓮、公明党等を語ります。

名護市長選を振り返る(数字と創価学会の選挙支援から-「人付き合い」がイデオロギーに勝利した)

選挙から2週間ほど経ちましたが、名護市長選を簡単に振り返りたいと思います。まずは2014年選挙と今回選挙の数字を比較します。

 

前名護市議の渡具知武豊氏(自民、公明、維新推薦)と現職の稲嶺進氏(民進、共産、自由、社民、沖縄社会大衆推薦、立憲支持)が争った名護市長選は、渡具知氏が勝利しました。得票数は渡具知氏が20389票、稲嶺氏が16931票。投票率は76.92%。

 

2014年選挙の結果を紹介しますと、稲嶺進氏(社民、共産、生活、沖縄社会大衆推薦)が末松文信氏(自民推薦)を19839票vs 15684票の結果で破っています。投票率は76.71%。

 

2018年選挙の当日有権者数は48781人、2014年選挙は46665人。2018年、2014年の有効投票数はそれぞれ37320票と35523票。有権者数が2000人ほど増えているのは、選挙権の有無が18歳以上に引き下げられたからでしょう。有権者の増加分は若年層。

 

2014年選挙に比べ有権者数が増えたので、投票率は僅か0.21%の増加でしたが、有効投票数は1800票ほど増加しています。

 

注目すべき数字は期日前投票率。2014年選挙の期日前投票率は33.9%。2018年選挙は44.4%。4年前に比べ期日前投票率は10%も増加しました(当日の投票率は0.21%の増加でほぼ横ばい)。

  

支援体制で言えば、公明党が自主投票から推薦に回り、同じく自主投票だった民進が推薦に(民進から分裂した立憲民主は支持)回ったことが2014年選挙と大きく異なる点です。

 

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既に多くの方が、名護市長選における渡具知陣営勝利の要因として公明党(創価学会)の渡具知陣営に対する積極支援を指摘しています。しかしながら解説者の多くは、「創価学会公明党得意の組織選挙が功を奏した」と抽象的な説明に終始し、具体的に組織選挙の何が功を奏したかを説明していません。要は創価学会の選挙活動の実態を解説していません(関わった人にしか分からないのかもしれませんが)。

 

http://www.huffingtonpost.jp/hiroshi-meguro/nago-inamine-lose_a_23356638/

https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0214.html

 

創価学会活動家として、「創価学会公明党得意の組織選挙」が具体的にどう功を奏したのか、創価学会の選挙活動の仕組みを説明しながら推察したいと思います。

 

前回記事において、創価学会が全国組織を挙げて渡具知候補を支援していたことを記載しました。

 

hasu-no-rakuin.hatenablog.com

 

これは全国選挙でもよくある電話作戦です。沖縄・名護に人脈のある会員が(時には人脈がなくても現地で探したりするのですが)電話で投票依頼をしました。ただこの電話作戦、具体的な票増加には余り繋がっていないと思います。

 

衆・参議院の国政選挙ともなると、学会員の公明投票依頼数(いわゆるフレンド票)は全国合計で2億件程に達しますが、実際の公明票は1000万に届きません。電話依頼は効率が悪いのです。直接会って依頼することも多々ありますが、効率の悪さは変わりません。

 

では無意味かと言えばそうでもなくて、創価学会組織の引き締め、活動をする上での目標になります。今回の場合、沖縄・名護の学会組織(と保守陣営)へのプレッシャーエールになったでしょう(会員の何割かは本当にエールだと考えます)。

  

沖縄に足を運べない会員が電話作戦を展開する一方、沖縄・名護在住の会員が何をしたか。一番重要な沖縄・名護在住の現地メンバーが何をしたか、いつもの学会選挙から推察します。

 

創価学会の選挙活動において重要な要素は「決起大会」「徹底的な人回り・個人指導」「連れ出し」の3点です。「電話作戦」「煽り・誹謗中傷」と最近では「SNS・Web対策」もありますが、実票に繋がるのは「決起大会」「徹底的な人回り・個人指導」「連れ出し」の3点かと思います。

 

創価学会は選挙戦に入る前に、選挙勝利に向けた決起大会を開きます。今回は原田会長自ら沖縄入りして決起大会に参加したようで、信濃町がいかに本気だったかが伺えます。選挙の決起大会で末端活動家に戦いの始まりを実感させます(ある程度の幹部はその前から動いています)。

 

私は創価学会にとって選挙は祭りだと考えていますが、「決起大会」は祭り開始の合図です。盆踊りの太鼓を鳴らすようなものです。会員は踊り始めます。あるいは乾杯の合図です。初めは義務的だとしてもその内楽しくなってくるのです。

 

付き合いで参加した飲み会、最初は面倒くさくても飲んでる内に楽しくなったりするでしょう?酔っぱらって馬鹿になって。そもそも所属コミュニティの共有イベントに明確にNoを言える日本人がどの程度いますかね?あるいは参加した後も自分を保てる人が。そういう感じです。酒を飲み、舞踊る代わりに投票依頼に走り、飲み会で愚痴を言い合うように苦労話を会員間でシェアし、個々の会合(だしもの)で歓声を上げ。更には「功徳」という豪華景品が当たるかもしれないクジを引きたがる人も(祭りのクジと言えばね?)。皆で〆の投票結果に向けて祭りを楽しむのです。

 

具体的な選挙活動の話に戻ります。大体この決起大会を前後に内票、つまり学会員の公明票を固めます。本来、選挙期間が始まるまでは投票依頼は出来ませんが、創価学会は違います。内票、学会員票は公示・告示前にまず固めます。内票は(サボタージュが無い限り)、かなりの精度で推測できるようになります。公示・告知前活動の一例を以下に紹介します。

 

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「○○さん、まだ公明支持になってない」「〇×さんの旦那さんに会えない」「××さん支援してくれるって」と細かく票(個々の会員)を把握することが出来るのが学会選挙の強みの1つです。昼間時間を自由に使える婦人部が特に主力になって動きます。

 

学会組織は、普段の学会活動やこれまでの選挙支援から個々の会員の「態度」「指向(思考とも嗜好でも)」を把握しています。

 

分かり易く言いましょう。公明党支援を押し進めてくれる人、公明党に投票してくれる人、粘って対応すれば投票してくれる人(その場合どの程度粘ればいいかまで)、もしかしたら投票してくれるかもしれない人、絶対無理な人、各会員の公明党投票期待値のようなものを創価学会組織は把握しています。

 

各会員の投票期待値が公明党の掲げる政策だけで決まるわけではないことを創価学会組織は把握しています(勿論、政策に拘る人もいます)。信仰的判断、投票が面倒くさい、選挙そのものが気に食わない、仕事が忙しい等々。もろもろの理由によって投票期待値が決定していることを知っています。

 

公明党の政策面または創価学会の信仰面(池田名誉会長への信条・心情を含む)から公明支援にNoの人は投票期待値がかなり低い人です。無視されることが多いですね(時間が勿体ないと判断されるので……)。

  

決起大会後の各地域組織における小会合においても公明支援がアジテートされますが、そこでYesの人は投票期待値の高い人です。大して対応されません(時間が勿体ないと判断されるので……)。但し、後述する「連れ出し」の対象にはなります。

 

創価学会が重要視するのはNoだけど強烈にNoではない人や非政治的・非信仰的理由から期待値の高くない人(ノンポリ層)です。幹部や活動家ときには公明党議員が、そのような会員に対応します。「徹底的な人回り・個人指導」がこれです。

 

法律を気にしてか公明党議員の家庭訪問は基本的にありません(際どいのはありますが)。小さな会合のゲストととして登場(学会の会館含む……)、公明支援を訴えます。会合参加者で疑問を持っているメンバーに対応します。

 

幹部・有役職者・活動家は各家庭を回ります。この家庭訪問こそが創価学会選挙の真骨頂です。Noだけど強烈にNoではない人、非政治的・非信仰的理由から投票期待値の低い人(ノンポリ層)を票につなげていきます。

 

特に後者、ノンポリ層(若年層と被りやすい)を動かせるのは大きいと思います。「先輩が言うなら付き合いで投票しますよ」でも1票は1票。「仕事が忙しくて投票いけないと思います」「選挙とか面倒なんですよね」と相手に言われた時「仕事が忙しいなら車出すよ」「車出すから30分だけ時間を頂戴よ」と言える創価学会

 

一緒にご飯食べて適当に会話した後に「今度選挙あるじゃん?公明入れてよ」「時間無いなら車出すよ」と言える。この「言える」というのは機械的に話を下ろすという意味でなく、個々の人付き合いの中で「言える」ということ。日頃の付き合いがあってこそ功を奏る「組織選挙」。非学会員に頼む場合も同じです。

 

創価学会の組織選挙の強さとは「個々の人間を知っていること」。これを理解できない(あるいは理解しない)人が余りにも多いですね。

 

「徹底的な人回り・個人指導」において政治的な会話がないわけではありません。「君の投票が日本の政治を云々」「この政策は公明党が云々」。ただまぁ投票を促すための形式です。本当の意味での政策論争は殆どおきません。強烈な主義主張を持ち合わせていない人を「説得する」ための定型文みたいなものです(それに近いものが用意されます)。

 

公示・告示後、実際の選挙期間中一番力を入れるのが「連れ出し」です。投票期待値の低い人(公明支援を約束しても行くかどうか疑わしい人)および(公明支援に乗り気でも)高齢者のような物理的な要因から投票所に行き辛い人を車に乗せて投票所に連れ出します。末端活動家が自腹で(自分の時間とお金を使って)1票1票、地道に重ね上げていきます。

 

生身の人付き合いの中で投票所に連れ出されて、公明党以外に投票する(あるいは白票を投じる)のは中々苦しいものがあります。心無い人には可能かもしれませんが、そういう人はそもそも「生身の人付き合い」の時点で弾かれます。

  

場合によっては、一緒に投票に行ったついでにお茶会・食事。適当にドライブしたり。選挙活動を人付き合い、一般生活に溶け込ませています。これが出来るのは創価学会だけです。「連れ出し」も機械的に投票所に連れていくだけではありません(それに近い時もあるけれど)。

 

非学会員を連れ出すこともあります。これは組織が一番喜ぶ成果で、内票からの伸びシロ(それも確実性の高い)扱いです。

 

期日前投票期間の「連れ出し」によって票を上積みしていく。これが具体的な票獲得につながります。様々な要因(例えば投票日の天候など)から投票率が低くなった時、公明党が強いと言われる所以は期日前投票で確実に票を稼いでいるからです。

 

本番投票日の「連れ出し」は余程信頼できる仲(例えば親族とか)でない限り行いません(色々危険ですからね)。投票日当日は、期日前投票に行っていない会員・非会員を対象に、電話で投票確認(これもかなりグレーゾーンだと思うが)を行います。これが投票終了の20時まで続きます。20時を過ぎれば、それぞれの地域・組織で〆の会合を開いてお終いです(幹部は複数の会合に参加したりします)。

 

長々と学会選挙の実態を書きましたが、以下、名護市長選の結果を考察します。

 

保守系候補の渡具知氏は、前回選挙の保守系候補に比べ4700票ほど増加させています。先程紹介したNHKの調査によると、名護市における公明票は2000~2500票。期日前投票出口調査では公明支持者の約9割が渡具知候補に投票したとのこと(自民党支持者よりも渡具知候補への投票率が高い)。公明党が自主投票だった2014年選挙では、公明党支持者の投票先はだいたい半々(保守系と革新系=稲嶺氏が同じくらい)で割れていました。

 

NHKは指摘していませんが、公明党支持者(創価学会員)は自主投票になるとそもそも選挙に行かなかったりするので、公明党支持者の期日前投票数自体2018年の方が多いと思います。おそらく、増加した4700票の内1500~2000票程度は学会員票でしょう。会員を1人1人連れ出した光景が目に浮かびます。

 

保守陣営増加分の残り2700~3200票にも創価学会が少なくない影響を与えていると思います。今回選挙では「非学会員の連れ出し」も積極的に行ったのではないでしょうか(前述したように非学会員の連れ出しは学会組織が一番喜ぶ成果です)。上記NHKの調査では2014年選挙に比べ、自民党支持者および維新支持者の期日前投票における保守系候補への投票率も向上しています。

 

連れ出さないまでも「ウチ(学会)はもう〇割投票済みなんだけどそちらはどうですか?」とケツを引っ叩いて催促相手の奮起を促せます。2014年選挙に比べ、期日前投票率が10%も増加したのは創価学会が動いたからです。

 

 

会員に対する「徹底的な人回り・個人指導」同様、非学会員で強烈にNoではない人、非政治的・非信仰的理由から期待値の低い人(ノンポリ層≒若年層)は「連れ出し」の対象として、特に無党派層は、良い標的になります。強烈な政治イデオロギーに基づいて投票しようが付き合いで投票しようが1票は1票です。人付き合いの残っている地域ほど、学会選挙は強さを見せます。

 

沖縄と言うのは地縁血縁、親族付き合いが大きな影響力を持つ地域です(沖縄創価学会の会員増加の歴史も地縁血縁と大きな関係があります)。学会流の戦い方が効果を発揮しやすいエリアだったのだろうと思います。

 

革新系陣営が高齢化で若い人との付き合いを失いつつある一方、かつてに比べれば青年部が激減したとはいえ、世襲によって一定数を確保し、青年層をまとまって動かせる学会は若者対策で有利に戦えます。

 

学会も高齢化が酷いのですが他組織はもっと酷いのが現状でしょう。加えて、人付き合いとその組織化が困難な世相。過去に比べ絶対的には弱くなった創価学会が、相対的には嘗て以上に大きな影響力を行使しています。

 

若年層になるほど明確な政治主張を保持しておらず(沖縄に限らずですが)、人付き合いや空気・雰囲気・人気(小泉息子)に左右されやすくなります。一般的に若年層ほど投票率が低く、仮に革新系候補の強烈な主張に忌避感を覚えたとして、その人物が投票所に行って反対候補(渡具知氏)に1票投じるかどうかは個々人の興味・熱意に依存します。

 

「反基地は食傷気味かなぁ~でも選挙行くまでもないかな~」「渡具知さんでいいんでないの?(面倒だから投票には多分行かないけど)」というラインの若者を投票所まで連れ出せるのは本気の創価学会くらいです。また、18~20代前半の若年層に影響を与えやすい20代後半から30代前半の青年層をある程度組織だって動かせる団体も創価学会を除いてそうないでしょう。

 

上記NHKの記事によると「渡具知陣営は渡具知氏を支援する企業で働く30代くらいまでの従業員に、中学・高校時代の先輩・後輩などに声をかけて集まってもらい、ミニ集会を開いた」とのことですが、こういう時、その従業員に学会員が混じっていれば集会開催の効率は大きく向上します(スタッフがボランティアで能動的!)。と言うかですね、そこまでやるのは学会員くらいです。とても保守陣営の支持者が自発的にやり始めたこととは思えません。やり口が創価学会です。

 

SNSが若年層を主体に影響を与えたという批評を時折見ますが、SNSで政治的話題に触れるのと、実際に投票所に足を運ぶのとは違います。創価学会が色々な意味で足になったお陰で、SNSに感化される若年層の内の投票期待値が低くない層が投票所に行った(運ばれた)のです。

 

SNSに若年層が感化されて自発的に選挙に行くならば、投票率自体が上昇するはずです。SNSが若年層を動かすとすれば、18・19歳に限らず、もう少し上の年齢(20~30代)にも影響を与えるはずです。ついでに言うと、2014年の時点で各種SNSYoutubeは存在していたので、今回選挙が初登場ではありません。

 

因みにですが、友人同士でのつながりが基本のLineグループやFacebookにおいて、創価学会員主導のSNS活動は効果を発揮しやすいかなとは思います。「人付き合い」の延長みたいなものですから。

 

期日前投票が増加したにもかかわらず、投票率そのものはほぼ横ばいでした。名護市全体の政治的関心度は2014年と大差なかったことを意味します。今回の名護市長選は各陣営共にかなり力を入れましたが、創価学会の組織選挙含め、名護市の政治関心度を上昇させたわけではありませんでした。

 

遠山清彦一部のグループが扇動先導し、元々選挙に行くポテンシャルを秘めた層(とりわけ若年層)の中で「渡具知的な空気」が作られ(その手段の1つにSNSがあった)、創価学会が本格介入していなければ投票に行かなかったであろうノンポリ層の一部と共に投票所に向かった……と考えるのが自然だと思いますね。

 

やり方は先述したようにあくまで「人付き合い」が下地となっています。政策が先にあったわけではありません。学会が協力する選挙とはそういうものです(学会員に限定すると信仰が絡みますが)。「ゴミ問題」「地域経済」「就職」「パンダ誘致にNo」それは最後に肩を押しただけです(活動家は祭りの太鼓を鳴らすようにガンガン訴えますが中身を理解しているかは怪しいです)。

 

世間一般においても、明確で筋の通った政治主張を有する人物より、抽象的・断片的な主張の持ち主あるいはノンポリ寄りの方のほうが人数として多いでしょう。後者を動かすには「人付き合い」が一番楽です。その次が「空気・雰囲気・人気」の3気。イデオロギーは弱い。

 

国の支援、大物援軍弁士(小泉息子)、企業・団体回り等もそれなりの影響を与えたでしょう。稲嶺陣営にしてもそれなりの応援が名護市入りしました。辺野古の問題も報道されました。米軍のヘリが墜落もしました。前回選挙に比べ、投票率自体を向上させるに十分な話題がありました。そして騒ぎました。しかしながら投票率、つまり名護市民の政治関心度そのものは大きく変化しませんでした(市長選で75%超えはかなりの数字ですが)。

 

前回選挙と大きく変わったのは創価学会の本気度です。動かしたのは創価学会の人間選挙です。どちらに投票するか、そもそも選挙に行くか、本気の支援活動をしているかどうか、当落線上にいた「有権者・保守陣営」を1人ずつ動かしていったと考えるのが妥当です。

  

創価学会が本気で取り組んだ結果、「人付き合い」がイデオロギーに勝利した創価学会の「人を知る」選挙活動が「連れ出し」によって具体的な票増加をもたらし、末端活動家の勢いが保守陣営を勝てる組織に変革させた。私は名護市長選の結果をそのように考えています。

 

辺野古基地問題、今でも沖縄及び名護の学会員の多くは出来れば基地は無くなってほしいと考えているでしょう。基地問題だけを勘案して選挙活動したわけではないのです(非常に大きな課題ではありますが)。学会員の人情機微が分からなければ学会の選挙活動は理解できません。

 

沖縄創価学会は結果的に信濃町の指示に従いましたが、沖縄創価学会員が選挙活動に取り組んだのは概ね彼等の意思によるものと思います。創価学会にとって「選挙は祭り」です。個々の会員の動機はともかく、やるとなれば勝ちに行く。いつものことです。おそらく、沖縄創価学会員の中においても「人付き合い」がイデオロギー(政治・信仰)に勝利したのでしょう。苦悩した方・今も悩んでいる方、いると思います。

 

かなり長くなりましたが、この辺で終わりにしたいと思います。名護市長選の結果をフィードバックして何かに役立てたいと考えている方の参考になれば幸いです。 

 

名護市長選を全国一丸・総力戦で「支援」する創価学会(一つの記録として残します)

名護市長選、今日が選挙戦最終日となります。

 

様々思うところがあり、前回、前々回と名護市長選・沖縄選挙の歴史を少し記事にしました。

 

名護市長選と公明党(基地問題で揺れた20年) - 蓮の落胤-創価学会、話そうか

50年前の沖縄選挙と公明党(1968年行政主席選挙に関する米国公文書) - 蓮の落胤-創価学会、話そうか

 

私は名護市民でも沖縄在住でもないので、特定候補への肩入れにそこまで熱心になる気はありません。また、細かい政策論争に参入する気もありません。沖縄のことは沖縄市民が決めることです。

 

名護市の選挙が終わるまで、名護市長選・沖縄関連の記事を書くつもりはありませんでした。

 

書くつもりはなかったのですが、余りにも酷い連絡が回って来たので記事にします。選挙後も、一つの記録として残すつもりです(大きな転換点を示す資料の様な気もします)。

 

Twitterでも呟きましたが、公明党が推薦している候補への事実上の投票依頼・支援活動推進が全国創価学会組織において通達されています。以下、該当文章を掲載します。

 

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今の創価学会はここまでやるか。 沖縄名護市の選挙。何故、全国の応援が必要なのか?全国学会員を動員・介入させるのか?

 

私の地域は沖縄から優に1000Kmは離れています。地域の政治に全国総出で干渉するのか。政策論争以前の問題です。

 

これまでも地方選に全国組織が動員されることはありましたが(都議選が有名ですね)、今回は尋常ではありません。私が知る限り、非公明党候補のそれも市長選でここまで通達したケースは初めてです。異例中の異例と言えるでしょう。

 

公明党のプレゼンスを誇示するため・自民党からの命令・辺野古基地問題に絡んだアメリカからの圧力etc.……「全国一丸」の理由は複数あるかもしれません。

 

信濃町にとっては憲法改定(特に9条関係)に向けた地ならし、試金石的意味合いもある……と私は考えています。

 

沖縄と言う平和問題に最も敏感な場所で、トップダウン式に信濃町の打ち出しを達成する。憲法改定に向けた中央集権体制(既にかなり中央集権的ですが)を強化していく。

 

名護市長選は沖縄県知事選の前哨戦でもあり、県知事選含めた沖縄統一地方選は全国統一地方選のプレテスト的意味合いがあります。

 

全国統一地方選(2019年)の数か月後には参議院選挙があり、2019年の参議院選挙は、憲法改定の大きな山場になります。

 

公明党(創価学会)としては、名護市長選に勝利することで、自民党と連携して「現実的な」対応をすることこそ平和建設-広宣流布-に繋がる……というストーリーを、これまで以上に盛り上げていきたいのでしょう。前回の衆院選は大敗北でしたし。

 

「重大局面」「絶体絶命」は毎度お馴染みの発破フレーズとして、「全国一丸となってさらなる総力戦」などと言う、戦時中のスローガンを彷彿させる文面。

 

創価学会に普天魔移設済みと皮肉ってやりたいですね。

 

 

補足:

 因みにですが、創価学会には活動家に発破をかける為の文章と、他党をこき下ろして内部を洗脳結束結束させる文章と二種類あります。恐らく現地では、革新系候補をこき下ろす文章が出回っていると予測します(内部資料としてね)。

 

参考までに、2017年衆議院選において配布された「こき下ろし文」を掲載しておきます。

 

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50年前の沖縄選挙と公明党(1968年行政主席選挙に関する米国公文書)

前回、名護市長選について記事にしました。その中で、辺野古基地問題を抱える名護市長選において、20年間公明党が揺れてきたことを簡単に紹介しました。

 

今回は、機密解除された米国公文書に記載されている、1968年当時の沖縄選挙情勢と公明党に関する記録を紹介したいと思います。文章の作成機関はCIA(アメリカ中央情報局)です。

 

CIAというと、謀略・陰謀の実行機関のようなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、CIAはアメリカ中央情報局の名前の通り、情報の収集・分析が主な業務です(他の国の機関にも言えますが)。

 

例えば、各国地域の主要新聞・週刊誌の内容を分かり易くまとめたり、学術学会発行の専門誌から価値のありそうな情報をまとめたりと地道な情報収集・解析に取り組んでいます。

 

各国地域の情勢・各分野のトレンドをまとめ、関係者(米国政府機関等)への情報提供に貢献しています。時には特定のトピックに関する特集を組んだりもします(創価学会特集もあります)。

 

因みにですが、私がオンラインで内容を確認出来た、創価学会に関する一番古い米国公文書は、1963年にCIAが作成したものです(いずれ紹介したいと思います)。

 

今回紹介するのは、1968年にCIAが作成した当時の沖縄選挙情勢(1968年に行われた沖縄行政主席選挙)における公明党の影響力と態度を記録した文章です。

 

南ベトナム情勢やインドネシア-フランス関係等、様々な地域・分野に関する内容に混じって、沖縄選挙情勢と公明党のスタンスが報告されています(以下に報告書の目次画像とPDFのリンク先を示します)。

https://www.cia.gov/library/readingroom/docs/CIA-RDP79T00975A012200070001-8.pdf

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短い文章ですので、沖縄の項目全文とその翻訳文を掲載します。

 

Okinawa:

The decision of Japan's Komeito, the political arm of the Buddhist Soka Gakkai, to remain neutral in the Okinawan elections for chief executive in November enhances the prospects of the conservative candidate.

創価学会の政治部門である公明党の、沖縄で11月に行われる行政主席選挙において中立的な立場に留まるという決定は、保守候補(当選)の可能性を高める。

 

Komeito‘s position, announced last week, frees the vote of Okinawan Soka Gakkai members, many of whom are employed by the US military and have favored conservative Okinawa Liberal Democratic Party (OLDP) candidates.

先週発表された公明党の立ち位置は、沖縄創価学会員-その多くは米軍に雇用されており、また沖縄自由民主党の保守候補を支持している(好感を持っている)-に投票の自由を与える。

 

It is unclear, however, whether the Soka Gakkai vote--which the organization claims to be some 80,000--will tip the balance in favor of OLDP candidate Nishime over his leftist opponent.

しかしながら、創価学会の(自由)投票-学会は約8万人と主張する-が沖縄自由民主党候補の西銘に、左派対抗馬を超えて有利に働くかどうかは不透明だ。

 

For its part, the Soka Gakkai leadership in Okinawa has not officially endorsed either candidate.

それ(創価学会の自由投票)に関する限り、沖縄創価学会の指導者は公的にはどちらの候補も支持していない。

 

In view of Soka Gakkai's disciplined control over the voting of its membership and the current prospects for a close contest, such an endorsement could be crucial. 

創価学会の厳格な会員に対する投票管理と最近の(選挙が)接戦であるという見通しを考慮して、上記(公明党の)支持は極めて重要となり得る

 

For the past few months, the Okinawan elections have been a point of contention among Japanese Komeito leaders.

過去数ヵ月間、沖縄の選挙は公明党執行部にとって論点となっている。

 

Some feel that Komeito's failure to support the Okinawan leftist coalition will tarnish Komeito's credentials as an opposition party in Japan, particularly since the Japanese Socialists and Communists are supporting their counterparts in Okinawa.

一部の人々は、公明党が沖縄の左派連合支援を怠れば、(公明党の)日本における野党としての資質に傷をつけるだろうと感じている、とりわけ、日本の社会主義者共産主義者が彼等の沖縄におけるカウンターパート(同志or同類)を支援しているので。

 

When party secretary-general Yano continued, however, during a visit to the Ryukus earlier this month, that the Okinawan Soka Gakkai favored Nishime, Komeito opted for neutrality to avoid alienating its Okinawan affiliate.

しかしながら、矢野公明党書記長が沖縄創価学会は西銘を支持した(好意的だった)と今月はじめの琉球訪問中に(引き続いて)言った時、公明党は沖縄支部における仲違いを避けるため中立を選んだ。

 

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1968年というと丁度50年前ですが、50年前から公明党が保守陣営に付くかどうかが話題になっていたのですね。

 

1968年におこなわれた行政主席選挙。保守陣営の候補者は西銘順治氏ですが、西銘氏が当選するように、日米両政府が沖縄県民の悲願だった国政選挙への参加を西銘候補の実績として選挙戦に利用しようと画策していたことが、公開された外交文書から判明しています。公明党には何か米国からアプローチがあったのでしょうかね?

 

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矢野絢也公明党書記長(当時)は、「沖縄創価学会は西銘を支持した(好意的だった)」と発言したみたいですが、公的な場での発言とは考え辛いです(少し調べてみましたが判別つきませんでした)。おそらく、米国サイドにオフレコで伝えたのではないでしょうか。

 

もし公的な場での発言であれば、中々にインパクトのある発言です。1968年の公明党は、日米安保撤回、在日米軍基地撤去が公約でした。保守候補支持をオープンな場で言えば、公明党(東京)が危うい立場になります。

 

「一部の人々は、公明党が沖縄の左派連合支援を怠れば、(公明党の)日本における野党としての資質に傷をつけるだろうと感じている」と公文書内で指摘されている様に、保守系支持を公的に打ち出すのはリスクが大きい時代です。

 

そもそも「沖縄創価学会は西銘を支持した(好意的だった)」というのは本当ですかね?沖縄創価学会が50年前に保守系候補を推す……というのは考え辛いのですが。「公明党(と信濃町)としては西銘を支持したい」が正確じゃないですか?

 

日米安保撤回、在日米軍基地撤去」を掲げながら「沖縄創価学会は西銘を支持した(好意的だった)」と発言するあたり、公約とは裏腹に、自民党との連携・与党入りを随分早い時期から模索していたのですかね(既に何人もの方が指摘していますが)。

 

1968年の行政主席選挙に関して、日本政治学会が発行している「年報政治学」という学術誌の中に以下の様な記載があるそうです。

 

“注目を集めたのが公明党の動向だった。同党は当初、「中立堅持」の方針だったが、8月下旬、「本土公明党の本質は野党であり、自民党の西銘支持はありえない」と、反西銘の姿勢を明言した。この後、公明党幹部が沖縄を訪れ、屋良、西銘両候補と個別に会ってこの・面接試験・で公明党の屋良支持が確定的となった。”

 

55年体制の崩壊と沖縄革新県政の行方-『68年体制』の形成と崩壊-」 江上能義

『年報政治学1996・55年体制の崩壊』(日本政治学会編・岩波書店1996.12)

 江上能義「55年体制の崩壊と沖縄革新県政の行方−『68年体制』の形成と崩壊−」

 

 

米国には「沖縄創価学会は西銘を支持した(好意的だった)」と言っておきながら、最後は革新系候補を推したのでしょうか。今回紹介したCIAの文章が作成されたのが、9月30日。文章中には、「今月はじめの琉球訪問中」とあるので、「沖縄創価学会は西銘を支持した(好意的だった)」発言は9月ですかね。上記論文によれば、公明党が反西銘の姿勢を明言したのが8月下旬。二枚舌、三枚舌は50年来の伝統ですか。

 

この行政主席選挙では、保守系の西銘氏が破れ、革新系の候補が勝利します。公明党(南元町)は保守系支持を米国に伝えながらも、現場の学会員は革新候補に投票したのかもしれません。

 

保守革新が拮抗する時、公明党(創価学会員)の動向が注目される。それは沖縄では特に顕著で、基地問題が絡めば外交問題にもなる。名護市長選の構図は、沖縄政治の縮図と言えるかもしれません。それは50年間ほど続いてきたと。

 

 

名護市長選と公明党(基地問題で揺れた20年)

名護市長選に向けた動きが活発化して参りました。辺野古基地建設問題を抱える名護市長選。沖縄において米軍所属機の事故が立て続けに発生する中、基地建設容認・推進派の渡具知(とぐち)武豊候補は苦しい選挙になるかもしれません(前回、前々回の市長選では基地建設容認・推進派の候補(渡具知氏とは別人)が負けました)。

 

渡具知氏は無所属ですが、自民党県連と公明党県本部からの推薦を獲得しています。注目すべきは公明党が推薦を出したことです。

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名護市の市長選において辺野古基地建設がテーマにあがったのは1998年からですが、この時、公明党は基地建設反対派の玉城義和候補に支持を出しました(推薦ではない)。玉城氏は、社民・共産・民主等から推薦を獲得していた候補でした。

 

社民・共産・民主が推薦する候補を公明党が支持する……というのは今考えると斬新です。沖縄ならではの選挙だったのでしょう。国政で自民党とバトルした直後(4月会問題)というのも関係あるかもしれません。

 

2002年および2006年の選挙においては基地建設容認・推進派の候補に推薦を出しました。こちらも、国政の影響(自民党と連立後)があるかもしれません。

 

前々回2010年の選挙では、基地建設容認・推進派の候補者はどの政党からも推薦を受けずに戦いました(2009年の衆院選挙で自民が大敗した直後でした)。

 

2014年の前回選挙、自民党は基地建設容認・推進派の候補者に推薦を出しましたが公明党は推薦を出さず、支持者(学会員)は自主投票を行いました。自公政権がある程度成熟していた2014年に自主投票としたのは、公明党沖縄本部内で様々な意見があったからでしょう。主力支持者である沖縄学会員に配慮した面もあると思います。

 

1998年から20年。公明党は、辺野古基地建設容認と反対の間で揺れ動いてきました。最初は反対(1998年)、続く2回は容認(2002年、2006)、その後2回は自主投票(2010年、2014)。

 

公明党の安全保障政策は、いい加減で無策。基本的に選挙対策(選挙で負けなければいい)に過ぎませんが、良くコロコロ変えたものです。まぁコロコロ変えたのは南元町信濃町であって、沖縄公明党(と沖縄創価学会)ではないでしょうが。

 

しかし今回、公明党自民党と歩調を合わせ、建設容認・推進派の渡具知氏に推薦を出しました。言うまでもないですが、安倍政権はかなり本気で辺野古基地建設に向けた施策を進めています。

 

20年の月日を経て、公明党もいよいよ最終判断を下した……と考えてもいいかもしれません(自公政権が何かの拍子で壊れて反自民系政権が成立したならば、また基地建設反対派に転向する可能性もありますが)。

 

最初に書いたように、基地建設容認・推進派の渡具知氏は、対立候補に対して特に優勢という訳ではありません。前回選挙では、19,839票vs15,684票(得票率にすると55.8%vs 44.2%、投票率は76.71%)で基地建設反対派が勝利しました。その差4300票。

 

本年1月5日付け東京新聞の記事によると、名護市における公明票は2000票程度(昨年10月に行われた衆議院選挙において、公明党は名護市内で過去最高の比例票(約5700票)を獲得したそうです)。前回結果を考えれば、無視できない数字です。

 

創価学会が組織を挙げて選挙戦を行えば周辺地域の住民を巻き込んで票を底上げする可能性を秘めています。公明党が推薦を出し、原田会長が沖縄幹部会に参加したというのは、大きな意味を持つでしょう。

 

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かつて沖縄創価学会といえば、創価学会が推進してきた平和運動の象徴でした。全国学会員の中で、とりわけ沖縄に住む学会員は平和問題に真剣だったと思います。ミサイル基地を学会の会館にしたこと、人間革命の執筆場所。沖縄戦、米軍統治を含めた歴史的経緯、基地が生活圏にある日常。平和運動を身近なテーマとして捉えてきたのが沖縄学会員かと思います。

 

そのためでしょうか、沖縄創価学会(と公明党)は割と信濃町に対して独自路線を掲げることが多かったと聞いたことがあったのですが……昨今の中央集権的な流れには逆らえなかったのかもしれません。

 

市長選は基地問題だけが争点ではありません。また安全保障という観点では様々な意見があります。それは事実です。

 

ただ今回の選挙、平和問題に一番拘りのある沖縄創価学会が方向転換したという「実績」を残せば、沖縄創価学会の今後の方向性、ひいては創価学会がこれまで行ってきた平和運動(憲法改正問題含む)全体に大きな影響を与えることでしょう。

 

名護市における公明票は2000票程度かもしれませんが、歴史の大きな転換点を作るかもしれません。

 

 

NTTドコモ事件(創価学会員による携帯電話通話記録窃盗事件)

創価査問の年が開幕するとかしないとか話題になっているので、創価学会が本気になればどの程度の事をするのか、その一例を示したいと思います。今回紹介するのは所謂「NTTドコモ事件」です。

 

知っている方も多いかと思いますが、若い方(私もそこまで年取ってないですが)や大本営発表信濃町広報にしか触れてこなかった方の中には知らない方もいると思います。

 

NTTドコモ事件」とは、学会員が関与した携帯電話通話記録の窃盗(不正アクセス)事件です。

 

NTTドコモ事件」は2度裁判になっています(刑事裁判に限定)。1度目の裁判を「女絡み事件(2002年)」、2度目の裁判を「本丸事件(2004年)」と呼ぶことにします。

 

以下、事件の概要と経過を図で示します。

 

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「女絡み事件」に関する補足

 

「女絡み事件」は、創価大学職員(田島稔、根津丈伸)とNTTドコモの子会社(ドコモシステムズ)に勤めていた人物(嘉村英二)の3名が関与(全員執行猶予付き)。

 

田島が当時交際していた女性の浮気を疑い根津に相談、相談を受けた根津がNTTドコモの子会社に勤めていた嘉村に通話記録の取得を依頼、嘉村が携帯電話の通話記録に不正アクセス。実行犯(嘉村)、犯行指示者(根津)、依頼者(田島)。

 

「女絡み事件」は、田島が通話記録(嘉村が不正入手したものを根津経由で取得)をもとに交際女性の知人男性に嫌がらせを行ったことがきっかけで発覚。田島が話す内容が余りにも正確だったため不審に思った男性が警察に相談し発覚しました。

 

事件発生当時、根津は全国副青年部長という青年部の大幹部。

 

 

「本丸事件」に関する補足

 

「本丸事件」は「女絡み事件」の捜査過程で浮上した別の事件です。「本丸事件」は嘉村が「個人的興味」で実行したことになっています(誰が信じるの?)。

 

「本丸事件」の裁判は2004年12月ですが、「女絡み事件」の捜査に関連して浮上したことから、2002年9月の段階で1度捜査が行われていました。2002年9月、「通話記録が盗まれている可能性がる(趣旨)」とF氏・S氏に警察から連絡があり、F氏・S氏は警察の事情聴取に応じ、調書も作成されました。

 

しかしながら何故か捜査は中断。その後、捜査中断に疑問を感じたF氏・S氏が東京地検刑事告発(2003年5月)、刑事事件に発展しました(2004年12月、嘉村に有罪判決)。

 

S氏は「本丸事件」の告発人であるものの、嘉村がアクセスしたデータの種類が他2名(F氏・乙骨氏)とは違ったらしく、「本丸事件」において不正アクセス被害とは認定されませんでした。

 

S氏は妙観講の副講頭。講頭の大草一男氏と親縁関係。妙観講と言えば創価学会にとって不倶戴天の敵。

 

「本丸事件」において不正アクセスが認定されたのは、F氏(有名脱会者)と乙骨正生氏。乙骨氏は反学会で有名なアノ乙骨氏。

 

「本丸事件」で被害にあったF氏は、受けた被害(事件の概要)を週刊誌に実名告発しています。その中で、正体不明の人物(複数人)から尾行・盗撮されたと語っています……。F氏は、池田家とも若干の縁があり、社会的にも有名な人物だったので標的になったのでしょう。

 

F氏・乙骨氏に対する不正アクセスが行われたのは、「女絡み事件」における不正アクセスよりも前。不正アクセスの時期(犯行時期)は「女絡み事件」以前であるものの、先に「女絡み事件」の裁判が終了していたため、「本丸事件」は余罪扱いになりました(どっちが余罪かなんて誰でも分かるだろ)。

 

 

 

不自然な捜査中断も含め、創価学会が本気を出せばこの位はやりますよと。SNSへの侵入なんて何とも思わないでしょう。

補陀落渡海

以前沖縄の宗教を調べていた時に偶然知ったのですが、日本にはかつて補陀落渡海(ふだらくとかい)という命を賭した修行(捨身行)があったそうです。

 

補陀落渡海とは何か。以下、和歌山県のHPから引用します(和歌山県那智勝浦が補陀落渡海の地として有名です)。

 

  

勝浦湾に広がる熊野灘はかつて「補陀落の海」と呼ばれていました。熊野には、海の彼方に理想郷があるという「常世信仰」があり、それが観音信仰と結びついて渡海が行われるようになったと考えられています。南海の彼方に観音の浄土「補陀落山」がある、その浄土を目指して何人もの人々が船出していったと言う。

 

男女を問わずすべての者の願を聞き、救いの手を差し伸べてくれるという観音菩薩の住むところが補陀落山でした。補陀落渡海の出発地であった補陀落山寺には、苦しみを逃れて渡海に望みを託そうとする人々が全国から集まったといわれています。

 

最も古い渡海は868年、補陀落山寺の僧、慶竜上人によるもので、渡海は18世紀初頭まで続けられました。

 

一ヶ月分の食料を積み、外に出られないように扉を釘付けにした小さな船に閉じ込められ、伴舟にひかれ、経文を唱えながら補陀落をめざして海へ出て行く生きて再び帰ることのない旅、補陀落渡海。太平洋の彼方に人々は浄土をもとめたのです。

 

http://www.pref.wakayama.lg.jp/nettv/p_ch7/ch7_movie/04_kumano_kenbunroku/2008/04_fudaraku_no_umi.html

引用終わり

 

 

補陀落渡海周辺の信仰観に詳しいわけではありませんが、この様な修行が存在したことに衝撃を受けました。

 

何故そこまでしたのか、観音の浄土(理想郷)に到達出来ると本気で信じていたのか、苦しみを逃れて自殺する理由が欲しかったのか、海に出てから閉じ込められた狭い船内で何を考え思ったか、出港後に後悔しなかったか……

 

想像し考えたところで答えは出ません。推察するだけで狂気に染まりそうです。ちなみにですが、強要されて無理やり渡海させられた例もあるそうです……。

 

補陀落渡海では海の機嫌任せに数日から最大で一ヶ月程度、小さな船内に閉じ込められて海上を漂うことになります。海が荒れれば溺死、荒れずにご機嫌なら餓死か渇死。

 

経を唱えながら確実な死を一人孤独に待つ。その様な行動に出た人物が複数人いるだけでも十分驚きなのですが、歴史の魅力はその上をいきます。補陀落渡海を生き延びた人物がいます。

 

1500年代に補陀落渡海に挑んだ真言宗の僧侶日秀は、那智勝浦からはるばる1000キロほど漂流した後、琉球王国(現在の沖縄県)にたどり着き死を免れたそうです。

 

日秀は琉球王国に漂着した後、宗教活動に励み、寺社の創建や再興に関わったという記録が残っています(後付けの伝承もあるそうですが)。最後は再び海を渡って薩摩藩(現在の鹿児島県西部)において没したそうです(薩摩の地においても宗教活動に励んだ)。

 

日秀の詳しい研究

http://repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/6437/1/oki37_takahasi.pdf

 

日秀が補陀落渡海に挑んだとき何を考えていたのかは分かりませんが、琉球王国にたどり着く……などとは想定していなかったでしょう。そもそも琉球王国と言う存在を知っていたかどうか。

 

死ぬことをほぼ確定させた人物が生き永らえ、想定外の場所でその専門性を発揮、功績を残す。その陰には誰にも看取られず海に消えた人物が何人もいるわけですが、歴史が動く時、人知は及ばないのかもしれません。

立憲民主党支持者は学会員を理解できるか

 

選挙が終わって2ヵ月程経ちました。創価学会においては毎度のことですが、投票依頼を熱心にやる一方で、選挙が終わると政治の話題は下火になります。皆無と言っていいです。

 

以前Twitterでも少し呟きましたが、2019年の参議院選挙は、憲法改正の大きな山場になると思います(既に多くの人が指摘していると思います)。

 

1989年以降、自民党参議院で安定過半数を確保していませんが(現在はギリギリ過半数を上回る)、衆議院で圧倒的な勢力を保持している今、参議院でも圧勝すれば憲法改正の第一段階、国会の発議が可能になり得ます。

 

そこでカギを握るのが、連立相手の公明党(憲法改正公明党(創価学会)についてはいずれ記事にしたいと思いますが、)と野党第1党(衆議院)の立憲民主党です。2019年の参議院選挙における立憲民主党の伸び次第で、憲法改正のロードマップは大きく後退するでしょう。

 

創価学会の会員が本気で立憲民主党支援に回ればそれなりの勢力を手にすることが出来るでしょうが、非常に難しいのが現状です。その理由を以下3つ示します。

 

1、公明党以外を支援する学会員は非常に少数である

2、民主党時代の学会批判を忘れない学会員が多い

3、立憲民主党支持者と学会員の相性の悪さ

 

1に関しては殆ど説明不要だと思います。公明支援の打ち出しに唯々諾々と従うメンバーが多数派。公明党以外の政党を支援する会員は非常に少数。ご存知の通りです。

 

2の「民主党時代の学会批判を忘れない学会員が多い」。民主党の学会批判、失策だったと思います。支援団体を狙い撃ちにすることの道義的な問題は別にして、選挙戦術と言う点で、民主党は短絡的かつ見当違いの方法を採用したとみなしています。

 

理由は簡単で、学会(と公明党)を批判したところで(仮にそれが事実だとしても)、学会員の多くは公明党支援を辞めないからです。公明党は基本学会票で維持されていますが、学会員が公明党支援を放棄しない限り、公明党は一定の勢力を維持します。

 

政治や選挙に関心を持っている人物の学会・公明評価はほぼ固定的です。選挙や政治に興味を持っている人物が限定されている状態(投票率の低さが象徴的)で、学会批判は票に繋がりません。学会批判があっても無くても、公明票はそこまで大きく変化しません(今後は徐々に悪化するでしょうけど)。

 

また、公明候補のいない選挙区において学会票は「学会に都合の好さそうな政党の候補」に流れます(信濃町の指示が介在しますが)。民主党時代の学会批判は、結果的に、学会員の選挙区における自民党候補への投票を後押しすることとなりました(今も続く)。

 

「公明議員が選挙で消えても学会員は急には消えない」ということを見落としたのか、ずっと勝ち続けることが出来ると判断していたのか、あるいは学会批判をしてもいずれ取引できる(四月会で暴れた自民党が連立を組めたように……)と考えたのか。いずれにせよ失策です。

 

「熱心で活動的なマイノリティーを排撃し、より内側に狂信・教条的にした」と私は民主党の学会批判を総括しています。民主党時代に創価学会を攻撃したことで、信濃町主導の立憲民主党非難を会員が鵜呑みにする土台を作ってしまった。

 

3番目の「立憲民主党支持者と学会員の相性の悪さ」。あまり語られることはありませんが、大きな意味を持つテーマだと思います。

 

立憲民主党首脳部がここでもう一度創価学会批判を選挙戦略に策定したならば「無能集団」というタグ付けが相応しいですが(そしておそらく憲法は改正される)、今回は控えるでしょう。

 

しかしながら、支持者の方は「素直な思い」を口にしてしまうかもしれません。「公明党を無批判で支持する学会員、君らは間違っている」「学会は日本政治の癌だ」と。

 

その批判、逆効果です。前述したように、学会(と公明党)を批判したところで(仮にそれが事実だとしても)、学会員の多くは公明党支援を辞めません。

 

立憲民主党のサポーターが創価学会批判をすればするほど、立憲民主党学会票を取り込めなくなるでしょう。「今の公明党(と創価学会執行部)は支持できないが創価学会には愛着がある」と考えている人が投票を回避します。

 

学会組織に未練の無い会員で他党支持の方は躊躇わないかもしれませんが、「学会組織に未練の無い他党支持会員」なんて全体からみれば極少数です。

 

その辺りを本邦タカピーリベラルさん達が認識できるかどうか。「そも民主主義とは云々」と御高説の方々が「仕事終わに政治学習会」「選挙の為に土日遠征」「モチベーションは信仰」「道でわざと転んで声かけてきた相手に投票依頼」と一筋縄ではいかないドブ板泥んこ政治活動を50年以上やってきた集団を抱擁できるか。立憲民主党支持者は学会員を理解できるか。